意味のない行動を繰り返しては、繰り返す。
終わりのない、螺旋。

Spiral


「ん・・・っ、あ、はぁ・・・」

言葉にならない言葉と、かすかな水音。
それだけが、無機質な部屋の中に響く。
小さな音なのに、他に動くもののないこの部屋では、やけに大きな音に聞こえた。

それが、目隠しをしているなら、尚更。

そのリアルすぎる感覚に身を震わせて、自分を追い詰めてゆく。
焦らすように・・・焦らすように。
それでいて、激しく。
もどかしい思いと、それを越える快楽。
おかしくなりそうで、それが、一番の快感だった。

「ん、むぅ・・・ぁ、くっ」

息が詰まって、四肢の末端までが痺れるような快楽に犯される。
その快楽の波が引くと、ほっと息をついた。
そのまま崩れるようにシーツに沈む。
落ちた粘液が、生暖かく腹に付いた。

まだ火照る体に、冷たい布は心地よく体を包み込む。
その冷たさを求めて、寝返りをうった。

真っ暗な部屋は、その動きの音を響かせる。
しゅるしゅると立てる音は、まるで自分を拘束させている鎖の音に聞こえた。

いつから、こんな快楽を求めるようになったのだろう。

少なくとも、それが最近だと知っている。
そして・・・それは、頻繁に戦闘後に行われた。

この快楽は多分に罪悪感を含んでいる。
禁じられた、林檎を神に隠れて齧っているような。
それとも、だからこそ、快楽だからなのだろうか。

目隠しを・・・部屋の明かりを全て消した、暗闇の部屋の中で、その行為は。
冷めたカラダの中身を空しさでいっぱいにする。
そして、その空しさを埋めるために、また・・・手を伸ばす。

だって、この空しさは、何故か   に似ているから。

そっと握ると、もう、そこは新たな熱を抱えていた。
その、指先の感覚に焦がれるような、欲望。
少し伸びすぎた爪で先端を軽く引っかいて、さらなる慾をおびき出す。

「ぁ・・・っ」

この指を、この熱を。
そして・・・この行為を。
すり替えすり替え・・・そして、その熱を暴走させてゆく。
気取られないよう・・・気取られるように。

『彼』の方へとすり替えて。

「あ、あぁ・・・か、・・・ず」

強請るように手を伸ばして押しやられた枕を抱え込んだ。
それを強く抱きこんで、手を動かす。

叶わない想いを、声にならないコトバで紡ぎながら。

意味のない行動を繰り返しては、繰り返す。
終わりのない、螺旋。

2004.11.14

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